読書感想文1『死んだ山田と教室』

こんにちは。かっつぁんです。

今回は、先日読了した小説『死んだ山田と教室』を紹介します。

あらすじ

夏休みが終わる直前、人気者の山田が死んだ。悲しみに沈むクラスに担任の花浦が席替えを提案すると教室のスピーカーから死んだ山田の声が聞こえた。山田はスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、二年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々が始まる。

感想

少し変わった青春小説。というのが、あらすじから受けた第一印象でした。
正直私は青春系の小説はあまり読まないのですが、こちらの小説は評価がとても高かったので一度読んでみようと思い手に取ってみました。

感想としては「とても熱くて、泣ける小説」です。私の感覚として似た小説として、東野圭吾さんの『秘密』を思い出しました。(この小説も、とっても泣けて考えさせられる小説でおすすめです(;_;))『秘密』は主人公(父)の妻と娘が、バスの事故にあい、妻がなくなってしまいましたが、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、妻の精神だった…という話です。
このような小説を読む際にどうしても考えてしまうのは、「どんな結末に持っていくんだろう…」ということです。個人的には、最後に願いが叶って成仏していくようなハッピーエンドだと予想通り過ぎてがっかりしてしまいます。

『死んだ山田と教室』の結末は、いい意味で裏切ってくれました。個人的にこの小説のテーマは「生きている人間の成長と、死んでしまっている山田の精神の対比」だと思いました。わかりにくくて申し訳ないです…。最後の20ページくらいで印象が大きく変わります。作者の金子玲介さんは、最後の20ページを書きたいがために、それまでの280ページくらいを書いたのではと思うほどのインパクトと熱量でした。

正直、途中に読み飛ばしてしまおうかと思ったタイミングもありましたが、やはり途中経過の山田や周囲のクラスメイトの環境の変化を感じているからこそのクライマックスの衝撃かと思いますので、もしこれから読まれる方は、自身の高校時代の多感な時期を思い出しながら読んでもらえればと思います!

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